じみロード

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あおぞら銀行BANK口座を開設しました

以前の記事にも書いたように、メガバンクがサービス改悪を続けている。ATM引き出しや振込時の手数料徴収は言うに及ばず、支店の統廃合や窓口業務なども削減が続いている。「嫌なら解約しろ」と迫る銀行に文句を言いながら使い続けるのは、利用者、銀行双方にとってアンハッピーな状況だ。資産形成支援などを謳い手厚い個人向けサービスを提供する銀行にシフトする方がストレスがないと思い、あおぞら銀行BANKを申し込んだ。

 

jimiroad.hatenablog.jp

 

あおぞら銀行BANKとは

あおぞら銀行の提供するBANKは、当面使用する予定の無い資金の退避先にぴったりのサービスだ。このサービスは、個人に提供する非対面チャネルで、高金利普通預金、ゆうちょ銀行ATM利用手数料無料、他行宛振込手数料無料という3つの優遇特典がある。冒頭で述べたように、従来型の銀行も徹底的に窓口業務を減らしているのだから、非対面チャネルのサービスについて心配をする必要も無い。

普通預金金利

あおぞら銀行の提示する普通預金金利は年0.2%(2021年6月現在)で、どの銀行よりも有利な条件となっている。これは、楽天銀行楽天証券口座とのマネーブリッジの組み合わせを条件として提示する普通預金金利0.1%よりも高い。金利で選ぶならばあおぞら銀行BANK一択だ。

ATM利用手数料

ATMカードはゆうちょ銀行また郵便局のATMの使用が前提となっており、入出金や残高照会は、利用回数の制限なく無料で使用可能だ。ゆうちょATMはファミマなどにも設置されており、設置台数は東京で3,000超、全国で約32,000台とかなりの数だ。ATMの共同運営を計画している三菱UFJ三井住友銀行のATMを合計しても約11,000台なのだから、利便性に不安は全く無い。もちろん、他の提携金融機関でも利用できるがこちらは手数料がかかるため出番はないだろう。

他行宛振込手数料

取引状況に応じて翌々月の他行宛振込手数料が最大3回まで無料になる優遇サービスが提供されている。月末のBANKの預金残高が500万円以上、当月のBANKのVisaデビット利用、当月末の投資信託残高有の条件を満たしていれば、それぞれ1回ずつ手数料無料の回数に加算される。筆者は500万円以上を預け入れる予定のため、月に1回は手数料無料で振込ができることになる。現状、Visaデビットの利用額や投信残高の下限などは設定されていないようなので、コンビニでのデビット支払やeMaxis Slimオールカントリーを100円保有するだけでも、振込手数料が無料になりそうだ。

口座開設の申込はアプリから

運転免許証を持っていれば、スマートフォンのアプリから口座開設を申し込むことができる。アプリで免許証を撮影するとOCRで必要事項が反映され、残りの項目を補完すれば申込は完了する。ATMカードが到着すれば口座が利用できる。現在は申込が多く、カード到着までに時間がかかっているようだ。筆者の場合、5月23日に申し込んだところ、6月15日にカードが到着した。

利用開始

口座利用の前にはユーザー名やパスワードなどの設定が必要で、これがそこそこ面倒くさい。ぐずぐずしていると、すぐに自動でログアウトされてしまうため、時間のあるときに済ませる方がよい。セットアップが終わればオンラインバンキングが使用できる。三菱UFJ銀行からペイオフ限度額となる1,000万円を移動した。当面はこの残高を維持して普通預金金利0.2%を享受する予定だ。

あおぞら銀行オンラインバンキングのトップページ

あおぞら銀行BANK

投資信託と仕組債には用心

最後に、BANKのデメリットも考えておきたい。銀行も慈善事業ではないため、顧客に都合のよいサービスばかりではないはずだ。有価証券報告書を見ると、あおぞら銀行のリテールセグメントは銀行収益の「6つの柱」の一つで全体収益の約1割を構成しているため、銀行から余計な商品を購入することで支払う手数料には気をつけておきたい。BANKサービスで銀行が期待できる直接的な収益は投資信託と仕組債となるので、銀行からの勧誘の電話が予想される。投信口座は開設しない、仕組債には手を出さないように用心したい。

他行よりも有利なサービスがいつまで続くのかも気になるところではあるが、当面は維持されるものと考えている。BANKは、現役世代の顧客基盤の拡大と資金調達手段として位置付けられており、サービス維持はそのための必要なコストだ。ただし、筆者のように銀行の販売する商品自体には興味がない顧客ばかりを集めても収益拡大には貢献しないため、将来的に前述のサービスやリテールバンキング業務自体を縮小、廃止する可能性もゼロではない。リテールバンキングのメインターゲットであるシニアマスアフルエント層の皆さまには、資産運用にあおぞら銀行を活用して銀行収益に貢献してもらいたい。